以前、紹介した『Sober Curiousというムーブメント』では、Ruby Warringtonの "Sober Curious"をノンアルコールムーブメントの先駆けとして紹介した。
しかし、"Sober Curious"よりもさかのぼること一年、2017年にノンアルコールムーブメントの原典ともいえる文献が出版されていた。
それがタイトルにもある "Mindful Drinking: How Cutting Down Can Change Your Life(マインドフル・ドリンキング:ほどほどが人生を変える)"である。Rosamund Deanによって書かれたこの書籍について、今回は見ていきたい。
Rosamund Dean/ロザモンド・ディーンとは?
ロザモンド・ディーンは、二児の母であるかたわら、世界中で刊行される週刊女性誌Graziaの副編集長を務める快活なキャリアウーマンだ。
彼女の輝かしい経歴はマリ・クレール、ELLE、REDなど名だたる女性向け雑誌で彩られている。
20代の頃は、仕事柄飲みに行くことが多く、いちいちそれを問題視することもなかった。
しかし30代に入り、結婚・妊娠・出産を経験すると次第に考え方変わっていく。
妊娠は、これまでお酒にどれだけのお金をつぎ込んできたかを知る良い機会となった。
そして、子供ができてからは自然と飲酒頻度も下がっていった。
しかし飲める機会があるときに、飲み過ぎないという選択をとるには意志の力だけでは難しく、二日酔いで育児に追われる朝を迎えることもしばしばあった。
ともあれ、妊娠と出産という二つの契機が、ロザモンドにお酒への考え方を見つめなおすきっかけを作ってくれ、意思だけでに頼るのでなく戦略的にお酒と付き合う方法を考えるようになっていった。
この本が書かれた背景には、そのような彼女の実体験がある。
Mindful Drinking: How Cutting Down Can Change Your Life
より健康的で節度あるお酒との付き合い方を実現するための実践的なアドバイスや科学的な知見を紹介したのが、この"Mindful Drinking: How Cutting Down Can Change Your Life(マインドフル・ドリンキング:ほどほどが人生を変える)"である。
ロザモンドは言う。
「飲み過ぎの一番の原因は、何も考えずに飲んでしまうことにあるの。みんなが飲んでいるから、グラスが空いたから、といった理由でただ習慣的にそうしてしまうことが問題なの。(中略)マインドフル・ドリンキングの対極は思考停止の飲酒なんです。」
マインドフル・ドリンキングを達成することで、ストレスが緩和され、集中力も生産性も向上する、そしてより良い決定が下せるようになるという。このようなメリットは、対アルコール以外にも人生の様々なシーンで享受できるものであるとも語っている。
昨今、書店に行くとアンガーマネジメントのような実践的な自己管理能力の方法から古くからの自己啓発的な書籍までよく目にする。
マインドフル・ドリンキングは、そのような自己の見直し、自己との付き合い方をアルコールというフィルターを通じて教えてくれているのかもしれない。
参考サイト
"MY NOT DARiNKING DIARY, ROSAMUND DEAN" LAURIE MCALLISTER
"2018 books for mindful drinking and quitting alcohol" CLUB SODA https://joinclubsoda.com/2018-books-mindful-drinking-quitting-alcohol/
"The simple tool will help you avoid a hangover over the festive period" Independent.ie
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