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執筆者の写真alt-alc,ltd.

しらふな文月 Dry July

更新日:2022年9月15日






素面な睦月 Dry January』でイギリスにおける禁酒キャンペーンの現状を見てきたが、オーストラリアやニュージーランドで行われている7月の禁酒キャンペーンについて今年の結果とともに見ていく。


Dry Julyとは?

Dry Julyとは、オーストラリアとニュージーランドで組織された7月の禁酒と癌患者への寄付を目的とするNPO法人であり、またこの組織によって毎年7月に行われる禁酒キャンペーンの通称である。


2008年にオーストラリアでPhil Groveと Brett Macdonald、Kenny McGilvaryの三名が7月にアルコールを断ち、浮いたお金を彼らの地方の病院に寄付することを提唱したことに端を発する。


Dry Julyの広がり

初年度から1000人強の参加者と25万ドルの寄付金を集め、翌年2009年には6つの癌治療を支援する目的で4000人を上回る参加者と130万ドルの寄付、2010年は9000人以上の参加者と240万ドルの寄付、2011年には1万人を超える参加者と280万ドルと拡大していった。


2012年からはニュージーランドにも拡大し、1.5万人の参加社と370万ドルの寄付を集め、以降も着々と広がっていき、今年は4万人以上の参加者と1000万ドルを超える寄付金をあつめるに至った。


ニュージーランドでの動き


上記は今年のニュージーランドでの寄付金額のランキングである。


上図にある都市は、ティマル(南島)、ウェリントン(北島)、ギズボーン(北島)、オークランド(北島)、クライストチャーチ(南島)、タウランガ(北島)であり、最も人口が多く経済の中心地であるオークランドが最も大きい。


Dry Julyに合わせたイベント

Dry Julyに合わせて、オーストラリア、ニュージーランドではイベントも行われてる。


それぞれのイベントを簡単に紹介したい。


►Mocktail Master Class


オーストラリアのシェフ兼芸能人Ed Halmagyi氏を迎え、すっきり美味しく飲めるモクテルを紹介するイベント。


Dry Julyへの参加メリット、一カ月間の禁酒のメリットなども紹介しながら、禁酒キャンペーンの啓蒙活動的側面も持っている。


►Conscious Dating Supporting Dry July


シドニーで行われる、Dry Julyが企画する街コンイベント。


モクテル作りのワークショップなども催し、もちろんお酒の力を借りずに行われる街コンイベント。


►Wellbeing Event


Dry July前に、禁酒に入る準備という目的で始まったイベント。


シドニーにあるヨガバーでフィットネスを体験しつつ、Dry Julyアンバサダーの断酒体験などを聞きながら7月の禁酒キャンペーンに備えるというもの。


 

以前紹介したDry January との大きな違いは、Dry July の第一義は癌をはじめとした病気に苦しむ人々の支援を根底に据えているところだろう。


これは、イギリスで10月に行われている Sober Octoberと近い性質を持つ(Sober Octoberについては11月頃に記事制作予定)。


禁酒することで本来ならお酒に使っていたであろうお金を募金しましょうという主張が通るのは、ノンアルコールへの意識が高い英国はもちろん、オーストラリアやニュージーランドならではかもしれない。


オーストラリアなどは健康意識が非常に強く、タバコの販売価格やレストランなどでの飲酒可能時間などは厳しくコントロールされている。


欧州だけでなく、オセアニア圏でもこのようなキャンペーンの広がりを見ると、日本でも同様の取組みが始まるのは時間の問題かもしれない。


参照サイト

Dry July Foundation https://www.dryjuly.com/

"Dry July donations top $1 million for first time" Newshub

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