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執筆者の写真alt-alc,ltd.

エナジードリンク市場に学ぶ

更新日:2020年12月18日







アルト・アルコがモデルケースにしている、レッドブル。

彼らはいかにエナジードリンク市場に翼を授けたのか?


およそ450億円市場ともいわれるエナジードリンク市場についてご紹介していくことで、新しいノンアルコール市場について考えていきたいと思います。


エナジードリンクとは

まずは、レッドブルやモンスターエナジーなどを擁するエナジードリンクとリボビタンD、オルナミンCなどの栄養ドリンクの違いはなんなのでしょうか?


最も大きな違いは、医薬品カテゴリーに入るか否かです。


日本では、タウリンが含まれているものは医薬品に分類されますが、エナジードリンクはアルギニンを代用している。


さらに、エナジードリンクは、栄養ドリンクよりも多くのカフェインが含有されています。


ゼロから市場を創り上げたレッドブル

エナジードリンクを考えるにあたって、レッドブルの存在を忘れることはできない。


レッドブルは創業当初、自分たちのための市場は存在しないと創業計画書に記し、意図的に新市場を創造していった。


今でこそ、日本ではモンスターエナジーの後塵を拝する状況になっているが、世界市場では依然首位を守っている。


日本における、レッドブルの戦略はまずは既存の栄養ドリンクとの差別化から始まりました。


先述のように、タウリンを入れずにつくったレッドブルは、清涼飲料水として栄養ドリンクとは異なり、炭酸飲料などと同じ棚割りとなり、販路もディスカウントストアやドラックストアなどではなくコンビニに力を入れ、パッケージデザインやTVCMを通じて若者への訴求を強めました。


さらに、マイナースポーツとタイアップすることで、当社のキャッチフレーズ「翼を授ける」の世界観をより強固にしていったことも注目が必要です。


結果として


-------------------------- 飲まれるシーンについての違いはどうでしょうか。両者を比較すると、「栄養ドリンクを 飲みたいと思うシーン」の上位 3 項目は、1 位「疲れている時」(74%)、2 位「栄養成分を補給したい時」(71%)、3 位「体調が悪い時」(67%)でした。


これに対して、「エナジードリンクを飲みたいと思うシーン」については、1 位「リフレッシュしたい時」(52%)、2 位 「気分転換したい時」(51%)、3 位「テンションをあげたい時」(47%)です。(*『エナジードリンクの成長戦略』-甲南大学2015年

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これまで、ネガティブをゼロに戻す役割の中で利用されていた栄養ドリンクに対して、ゼロからポジティブな状態になるために利用するエナジードリンクという対立構造を打ち立てることに成功しました。


モンスターエナジーの成功と今日のエナジードリンク市場

先ほどの栄養ドリンク・エナジードリンクを飲みたいと思うシーンの調査は2015年時のものですが、ここ数年でエナジードリンクに求められているものがやや変化してきています。


そのような背景も踏まえて、モンスターエナジーの伸長について見ていきたいと思います。


2019年時のエナジードリンクを飲むときの気分や状態についてのアンケート調査結果をみると、栄養ドリンク剤と比較して、「これから頑張りたいとき」・「眠いとき」・「スカッとしたいとき」などの項目で顕著な違いを示した一方で、


「身体的に疲れたとき」・「精神的に疲れたとき」などの項目でも高い支持を得ています。



このように考えてみると、2015年時と比べると、エナジードリンクはより一般化するとともに、栄養ドリンク的な立場に寄っていったという見方ができます。


レッドブルの視点から考えるとこれには二つの見方ができます。

  • 市場拡大していく中で当初のターゲット以外の人も取り込んでいく必要があった

  • レッドブルの顧客層が時とともに年を取っていき、新たなニーズのもと消費されるようになった

こういった状況の中で、うまく立ち回ったのがモンスターエナジーなのかもしれません。


モンスターエナジーはレッドブルと比較すると、

  • コストパフォーマンスが高い

  • アーティストというフィルターを通じて若年層を取り込んだ

  • 女性の取り込みに成功した

という差別化要因が挙げられます。


275円/250mlのレッドブルに対して、モンスターエナジーは200円/355mlと安価で、また365日のサンプリングを通じて試しやすい環境づくりに努めました。


さらに、有名になる前のマイナースポーツ選手を囲い込み育てていくというレッドブルの戦略に対して、アーティストというフィルターでモンスターエナジーはプロモーションを行ってきました。


アーティストを介することで、男女双方とコミュニケーションしやすくなる、より広い若年層に訴求できるというメリットがあったはずです。(現在はレッドブルもKing Gnuとタイアップするなどアーティストからの切り口も始めております)


また、オレンジ色のモンスターエナジーカオスやピンク色のモンスターエナジーパイプラインパンチなど、これまでマニッシュ(男性的)なイメージの強かったエナジードリンクに女性を取り込んでいきました。


このような施策が奏功し、日本においてはレッドブルを破るという快挙を達成しました。


ともあれ、ここ10数年で市場規模を15倍以上に拡大し、微減を続ける栄養ドリンク市場をしり目に、成長を続けるエナジードリンク市場から学べることはまだまだあるはずです。


参考サイト

『エナジードリンク市場 ~市場急成長の要因を探る ~ 』Inatage gallery

『モンスターエナジー、レッドブルを突き放したマーケ施策とは?』日経XTREND

『エナジードリンクの成長戦略』甲南大学

『「モンスターエナジー」ここへきてレッドブルを超す人気となったワケ』現代ismedia

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