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執筆者の写真alt-alc,ltd.

中華×カクテルの可能性

更新日:2019年8月6日






カクテルといえば、日本ではバーなどで単体で楽しむイメージが強い気がする。

実際、レストランなどに行っても、重厚なワインリストと比べるとカクテルの数はたかが知れている。


広東料理とカクテル

しかし、中華、広東料理の最前線香港では中華×カクテルという新しい動きが見えてくる。


しかも、この新しい潮流を牽引するのは、アジアで最も数多くの賞を受賞しているMAXIMAL CONCEPTSというレストラングループだ。

彼らの旗艦ブランドにあたるMott32(香港・バンクーバー・ラスベガス・バンコクに店舗を持つ)のホームページを見てみても、


” At Mott 32, we believe that innovative cocktails and meticulously sourced fine wines from around the world enhance a dining experience. (Mott32では、趣向をこらしたカクテルと厳選された世界各国のワインによって、あなたの美食体験を一層素晴らしいものにします)”

と書かれており、お店としてカクテルを売りにしていることがはっきりとわかる。

2018年9月にOPENしたばかりの同グループのJOHN ANTHONY CANTONESE GRILL & DIM SUMでも同様だ。ここは特にジンに力を入れており、ジントニックとジンマティーニでメニューの1ページが使われている(ちなみに次のページはスペシャルカクテルページ)。


このような流れの背景は詳細はわかりかねるが、中華×ワインを売りにしたお店が多い中での差別化戦略の一つではないかと推測できる。もちろん、昨今のクラフトジン需要増加やそもそものカクテルと料理の相性ということも考慮しなければならないだろうが。

アメリカにおける中華×モクテル

一方、太平洋を渡った向こう側アメリカでも同様の動きが見られる。荒漠とした砂漠とグランドキャニオンで有名なアリゾナ州に本拠を構えるアメリカ系中華料理を標榜する P.F.チャングスでも中華×カクテル/モクテルの取組みが積極的に行われている。ちなみに P.F.チャングスは米国だけでも200店舗以上ある大規模チェーンではあるものの、決して安価な店ではない。


そんな彼らが、カクテル/モクテルに乗り出したのは、2019年4月から。背景には、ノンアルコール強化の目論見がうかがえる。同社マーケティング部長によれば、


"Our new Refreshers appeal to guests who want to step outside of traditional soft drinks and have the cocktail experience without the alcohol,(今回の新商品は、慣れ親しんできたソフトドリンクの世界を抜け出し、アルコールなしでカクテル体験に浸りたい人に向けられたものです)"

実際にメニューは、モクテルメインで、カクテルとして飲みたい人にはモクテルにプラスアルファでリキュールを加えるという構成になっている。しかし、点心をペアリングとして提案しており、ただ食後の一杯としての提案ではないことがわかる。


こちらは、上述のように、それまで取り込めていなかったノンアルコールドリンカーという新規顧客層の取り込みや既存のノンアルコールドリンカーの客単価向上が狙いであろう。


目的こそ違えど、太平洋を越え、同じ中華というカテゴリーにおいて、カクテル/モクテルの存在感が高まってきているのは確かだろう。


参照サイト

Maximal Concept

"These New P.F. Chang's Refreshers Beverages Come In Both Boozy & Non-Alcoholic Options" elite daily

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