コロナで活動自粛が求められる中、海外では自分たちの産業が"Essential Business"か"Non-Essential Business"かが注視されています。
アルコールも当然大きな注目を集めました。
言うまでもなく、飲食店はロックダウンを行うほとんどの国で営業停止とされていますが、アメリカなどの小売り店などでは、ロックダウンや外出自粛によるアルコール備蓄特需が起きており、売上が上がっているとの情報もあります。
Non-Essential Business とした国々
日本でも、メキシコでコロナビールが不急不要の品として生産が止められたことは話題となった。
しかし、実は他にもアルコールの販売が全面禁止された国は存在する。
南アフリカ
4月16日(3月30日の情報)までアルコール販売の全面禁止が発表された。
政府は、この理由について、アルコールを摂取することで
ソーシャルディスタンスの維持が難しくなる
個々人の衛生管理能力が低下する
免疫機能が低下する
家庭内暴力の発生を防ぐ
などのことを挙げている。
南アフリカでは他にもタバコなどの嗜好品も不急不要と認定されているが、その一方でワイン生産のための栽培・醸造活動はEssential Businessとして認めている。
グリーンランド
グリーンランドでは、首都圏に限ってアルコール販売の禁止が発表されている。
禁止の理由として首相は、
感染リスクを引き上げることになる
子供たちに安全な家で自粛してもらうため
の二つを挙げている。
フランス、エーヌ県
最後に紹介するのは、ワイン大国フランスである。
フランスのエーヌ県(パリ北東部)では、3月24日からアルコール販売の禁止している。
理由については、南アフリカ・グリーンランドと同じく、家庭内暴力抑止を挙げている。
Essential Business とした国々
アルコールを"Non Essential Business"とした国と比べると、"Essential Business"とした国の方が多いので、ここではいくつか紹介したい。
イギリスではロックダウンに際して発表された、"Essential Retailer"のリストに「ブリュワリーをふくむ、アルコール販売店」が含まれた。
イギリスでは、国内のパブの営業停止命令が出た直後に、スーパーなどでのアルコール棚がすっからかんになったそうだ。
アメリカでもほとんどの州もアルコール販売を”Essential Business”と認定した。
では、なぜアルコール小売店を"Essential Business"にするのか?
ロックダウンや自粛要請を受け、オンラインでのアルコール販売を増えているとはいえ、全体の2割ほどだと言う。まだまだ市井の実店舗が強い中で突如アルコールの販売を止めてしまえば、アルコール依存症の人々にとって危険な状況に陥るからではないかというメディアもある。
アルコール依存症の人で、そのための薬を服用している人はごくわずかであり、もしアルコールが入手できないとわかれば、飲用ではないアルコールに手を出す人が出てくるからではないかと言われている。
またアメリカにおいて、「ほとんど」としたのは、唯一ペンシルベニア州だけ"Non Essential"にしたからだ。しかし、州民が外出自粛事態に抵抗する事態に陥ったという。
しかし、業界としても"Essential Business"になったから営業できる良かったという単純な話ではない。
オープンしている以上、従業員に働いてもらわなくてはならないが、特定多数の人との接触があるため、営業そのものに異を唱える人々を多くいるという。
"Non Essential"か"Essential"かは、どちらも非常に難しい選択であることがわかっていただけただろう。
とりあえず、これから日々買い物に出かける際は、いつも以上に働いている方への感謝の気持ちを持って接したいものである。
参考サイト
"THE COUNTRIES THAT HAVE BANNED ALCOHOL SALES DUE TO THE CORONAVIRUS" The Drink Business
"Coronavirus: Off-licences added to list of 'essential' retailers" BBC NEWS
"Business is booming at 'essential' liquor stores during the coronavirus pandemic, leaving workers in an uneasy position" BUSINESS INSIDER
Comments